tooru001's diary

写真家 山本 透の写真と文章による日々の記録

日録写真家 山本 透 「自撮りについて」


開業してから、色々な方々とお話しする機会も増えて、いわゆる買いたい写真というものを提供できるように技術だけでなく、心構えにおいても、お客様が何を期待されているのかも少しの会話からも、引き出すためにも言葉は重要です。

今やスマホでの自撮りが当たり前のように普及しています。

私も試して気になったことがあります。

一番見慣れた自分の顔って、どんな時でしょうか、改めて考えると、鏡の中の自分であることは異論はないと思います。
しかし、鏡の中のあなたは、本当にあなたなのでしょうか?
これまた当然なのですが、鏡像だという事を忘れていませんでしょうか。
目の大きさ紙の分け方その他もろもろ、完全に左右対称の顔の人以外は、自分の逆像を自分だと思い込んでいるのです。
ところが、写真は字のごとく、そのまま写ります。すると、自分の顔なのに、左右逆でない自分の顔に違和感を感じてしまいます。集合写真の場合、よくあるのが、自分だけ変で、周りの人はちゃんと写っている。なんだかナルシストみたいですが、写真が苦手な人は、自分の逆像を本当の自分だと思っているから、不自然さを感じるのです。
更に言うと、自撮りは鏡像です。裏返しの自分を安心してみることが出来るように、メーカーがそこまで考えているとしたら、恐ろしいことです。

本当のあなたの魅力を撮らせて下さい。
年齢相当の美しさは、確かにあります。それでも、若いうちにと思われる方も多いと思います。

今が、あなたが一番若い時なのです。

日録写真家 山本 透